先日、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイにステイしたときのこと。
現地の方のご厚意で、アラビアンスタイルの“香りのある暮らし”を体験させて頂きました。
アラビア半島における“香りのある暮らし”は、3,000-5,000年の歴史を持つ伝統的なものです。
まずは、中近東の定番、香水。
日本ではエジプトの香水が有名ですが、元をたどるとアラビア半島から来ています。
こちらの香水の面白いところは、時間が経つと香りが変化していくこと。
最初に香りを確認し、その後、10分後・30分後と香りを確認すると見事に変化していくのです。
曰く、上層部にある甘い香りの層が飛ぶとその香水の本質が見えてくるのだとか。
そのため、こういった香水屋さんに長居しながら香りの変化を確認するのがアラビアンスタイル。
そして、この日のハイライトは、この化粧箱です。
中身はなんと樹脂なのです。現地ではLuban(ルバン)と呼ばれる乳香(フランキンセンス)で、アラビア半島でも、オマーンとソコトラ島(イエメン)でしか採取できない貴重なもの。
これをバーナーなどを用いて高温に熱します。
すると、この乳香から何とも言えない香りが・・・・
そう、お香ですね。
この乳香のお香には自浄作用があると言われており、例えばお部屋を掃除した後、部屋の中にで炊いてお香を充満させて部屋の中の空気を浄化したり、
そしてもちろん、こうして衣服に当てたり、
更に、この熱せられた乳香を水に入れ、その水を飲むと体内が浄化されるとも言われています。
これ、昔話ではないのです。いまでもアラビア半島で日常的に活用されているのです
こうした樹脂はこのLubanと呼ばれる乳香の他にも多種あるのですが、一つの面白い見分け方は、そのお香から。
良質なものは“目に入れても痛くない”のです。
これらのお話しは、奥深いアラビア半島の香りの世界の序章に過ぎません。
チャンスあれば現地で是非その世界を垣間見て頂けると嬉しいです。